クワイエットルームにようこそ2009-03-15

松尾スズキ    文春文庫    448円

1962年年生まれの、俳優にして演出家、脚本も手がけコラムニストとしての顔も持つ人だそうだ。
「クワイエットルームにようこそ」は2006年度芥川賞の候補になった、比較的小品
松尾スズキ自信の脚本・監督により映画化されている。
(小説では病院という限られた空間で、静のイメージだが、映画はかなり動きの激しいものとなっているようだ。)

小説の始まりは映画館ですっぽんぽなでげろの入ったコップを持ってうがいをする異様な場面から始まる。
何だと思うと、いきなり名前を呼ばれて目が覚めるという始まり方。
病院の隔離病棟に収容されている、微妙に若い女性が主人公。
3年間同棲していた相手との痴話げんかの果て、アルコールの見ながらの薬の大量摂取で、
生死の境をさまよって、緊急入院してきたということだ。

その閉鎖病棟には、虚飾・華燭・その他もろもろの精神疾患を抱えた個性的な人がわんさか。
なんだかナースまで変わっている。

オーバードーズで運び込まれた、佐倉明日香28歳フリーライターの14日間の再生の日々を描く。

正常と異常がくるくると入れ替わる病院生活の中で、明日香が出会う不思議な面々。
その生態も面白いものであるが、
明日香と恋人の会話が飛んでいて面白い。

いじょうをみて、じぶんのこわれかた に目が冷めていく過程と結末が、
妙にあっけらかんとしていて、異様な爽やかさを感じます。

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