ボランティア基金等返還訴訟 証人証言まとめ2009-09-10

9月4日の裁判の様子は3回に分けて書いてきた。
これが最後のものとなる。

鎌田証人が時間が許せば話したいことがたくさんあるという姿勢、
被告人席に対して私の指摘に間違いがあるかという自信を見せていたのに対して、
被告人は原告席を見ることもなく、
ただ前方に顔を向けぼそぼそと話し、
原告弁護人の質問が核心のところに触れると
記憶に無い、はっきり覚えていない、等々答えているのがめだった。
8月28日の裁判のように瞬きが異様に多いと感じさせることはなかった。
林代表を見ると、鎌田証人が証言していあいだ、
外からいきなりは入ってきた僕ですら暑いと感じる状況ではなかったのに、
しきりにハンカチで額を拭ったり、頬を拭ったりしていた。
僕が知る限りでは、こうした行為は緊張状態にあることを意味している。

前回記事では、原告代理人質問時のぼくのメモを全文載せたが、
あのようにすらすらと進んだわけではない。
核心の部分に入ると証言はループ状i何度もなったし、
代理人の質問に、意図してか無意識にか知らないが、
異なる回答を行い、同じ質問を繰り返されることもあった。

たとえばDPでの募金について、
エンジェルシェルター基金に仕分けした根拠については、
「基金と明記してください」としているが、
調査嘱託の分析記録でははっきり明記されたものは小額で、
5700万円には及ばないが、
どのようにして分けたのかと問われると、
メールで問い合わせて確認したと答えた。
原告代理人が5700万円もの寄付金のいちいちに対して行ったのかとかさねると、
そうだといったんは答えながら
振り込みの記載からメールアドレスがわかるのかと聞けば、
他に電話で「も」確認したと答える。
それらのメールはすべて保存していると答え、
出せるのかと問われると、出せると返したが、
被告代理人からは訂正するように
「応援メッセージという意味合いじゃなかったのか。趣旨が変わっている。」
と助け舟を出さざるを得なくなった。
結局それすら無視視した格好で、開示できるとしていた。

ぱるる通帳をめぐっての応酬も難解だった。
通帳への記帳は遠いのでできなかったとしているが、
通帳から引き出して他の口座に移したのは誰かと聞かれると自分と答えながら、
記帳しなければいくら入っているのかわからないと思うがときかれると、
なんかうやむやのな返答をしてみる。
統括親族への振込みも、借金返済の150万と一時的に貸したお金としていることに関して、
何故親族名義で振り込まなかったのかということに対しては、
もともとAAの金だからAA名義で振り込んでなにがおかしいと答えている。
それでは返済したということにならないし、
借金返済の150万の金も含めた1200万の移動への説明として成立しなくなる。
全く合理性の無い出し入れへの説明ということになっている。
聞けば聞くほど不自然であり、釈然としない。

統括の口座に3000万円振り込んだことに対しても
       ↑(後段とごっちゃになっていたので訂正しました。)
ぱるるの預金限度額が1000万円なので移すよういわれ、
AA名義の口座を開設する前に一時的に振り込んだと従来の主張を行ったが、
原告側の指摘では、金利のつかない状況にして
限度額設定を取り払っていることが指摘されている。
それに対しては「私はしていない」と回答しているが、
そういう事実は無いとしていない。
口座管理は統括と二人で行っていたというのだから、
「私はしていない」と答えたのであれば、
原告の指摘する事実が正しいのであれば統括が手続きしたことになる。
そのあたりのことにも合理的な説明がなされていない。

とにかく核心部分に入るとぐるぐる話がループし、
結局明確な回答を行わない。

そういう質問の中からでも林被告から、
F税理士が中間報告を行った際に見たものとして、
AAが勘定元帳のようなものを作っていたこと、
現金募金出納簿も作っていたこと、
5700万円分のエンジェルシェルター同意文書が存在するものがあるということ、
自身の納税証明書もあることなどが明言され、
証拠として出せますかとの問いに出せると答えたことの意味は大きい。

被告代理人が前回に明らかにした車の売却代金300万は、
600万より少し少ない額であるとされ、
それをDPに現金でM氏の寄付金などとあわせて持っていったとしているが、
中間報告のどこを見てみそうした事実は浮かび上がってこない。
当座の運転資金として持って行ったというのが事実としても、
結局は使用せず自分の金として処理したということであり、
身銭を切ったということに繋がらない点にも着目しておきたい。

さて、8月28日と9月4日の裁判で、林代表以外の証言でわかったことは、
従来から噂として流布していたことが、
かなりな事実として浮かび上がったということだと思う。
林代表については、せっかく証言の機会を与えられながら、
しかも準備期間が十分にあったのに、被告代理人ですら核心についての質問を避けた。
林代表の証言では、それらの噂を否定しえるだけの説得力を持つ証拠、
または説明は一切聞かれなかったと思っている。
「記憶にございません」は政治家に良く見られる言い訳だが゜
たいていの場合は記憶していても答えられないから使う常套句に過ぎない。
繁殖場71頭レスキューに触れた箇所があるが、
「大阪市内の繁殖場で50‐70頭」と答えている。
元は67頭と発表していたこのレスキューは、
繁殖場従業員が高島市に運び込んだといういわくつきのものだ。
崩壊した繁殖場で4頭里親を見つけていたのに、
その4頭も里親の元に出すよりAAにおいていたほうが幸せだということで
わざわざ引き上げてきて、レスキュー頭数に追加して71頭にしている。、
なのに、50‐70などと幅を持たせている点で、
レスキューの実態を明らかにしたようなものと映る。
この質問は被告代理人がおこなっったもので、
おそらく前日までに打ち合わせが完了しているはずなのだ。
自分たちが公式発表したレスキュー頭数をいえなかったということは、
彼らの活動の事情を伺い知らせる例となる。

誠実であること。
寄付を求めるものとして持っていて欲しい最低限の本人属性。
9月4日の林証人には、それが全く見受けられなかった。

10月9日に裁判所の記録がまとめられる。
11月にも最終弁論があり、年内結審と見込まれる。

原告の勝利に期待しているところだが、
仮に負けても、裁判所の認定の中で彼らの手法に疑問が添えられることを願って止まない。

AAの判決の行方を見守っているであろう、
よこしまな動機を抱えた寄付金を期待しているものたちを喜ばせるような判決にならないことを祈る。、
裁判の決着しだいによっては、AA的手法にお墨付けを与えてしまうこととなる。
それだけはなんとしても避けて欲しいと思う。

ぼくが街頭募金に応えなくなって30年。
はっきりしない募金箱には絶対に入れないで来た。
公的機関などの要請には募金に応じてはいるが、
判決がAA的手法のいかがわしさを認めなければ、
そういう気さえ失いそうだ。

支援というものは相互扶助のようなものだと思っている。
困っている人がいたとき、自分に余裕があれば助ける。
助けられる側になりたいとは思わないが、
万一、助けられる側になるなら感謝を忘れないでいたい。
俺様たちに寄付せよ。
そういう尊大なものたちに鉄槌を。

(9/11に一部訂正と加筆を行っています。)

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