郡司ななえ2007-06-09

『ベルナのしっぽ 私の娘は盲導犬』 郡司ななえ 著
              イーストプレス 刊(1996)
 『ガーランドの瞳 愛の盲導犬物語』 郡司ななえ 著
              イーストプレス 刊(1999) 
 郡司さんは27才で失明した女性です。
結婚して日々を重ねるうち、我が子を抱きたいとの思いが募ります。
なにができるのか指折り数えます。結局目が足りない事に気づきます。
盲導犬はどうだろう?だけど彼女は犬が怖いのでした。
募る思いに彼女はアイメイト協会に電話をします。
それが盲導犬ベルナとの出合いだったのです。
 協会での訓練からベルナとパートナーになるその日までの苦闘。
無事訓練を終えたあとには周囲の誤解と無理解との闘い。
そうした日常をエッセイにしています。
 郡司さんは、通常10才前後でリタイヤする盲導犬を
最後までリタイヤさせずに家族として扱っています。
ベルナもついには目が見えなくなります。
それでも大好きな人のため、盲導犬でありつづけようとするのです。
ベルナと郡司さんとその家族との心の交流は
言葉にできない感動があります。
 しっぽに伝わるベルナのこころ。盲導犬たちが家族に与える無私の愛。「目の見えるおかぁさんのようになりたい」。
13年間その想いを支えたベルナのものがたり。
 ベルナの死と夫の死。郡司さんにとって大きな事件が過ぎ去って、
彼女は生きる勇気をふりしぼります。
2頭目の盲導犬ガーランドと暮し始めたのです。
ベルナとの性格の違いに戸惑いながらも、
いつしか家族になっていくガーランドと郡司さんとその子ども。
生活は自然と落ち着いていく。ゆっくりとした幸福な日々。
 だけど、ガーランドが急性白血病のため余命が無いと判ります。
 三年三ヶ月の命でガーランドが召される。その日までの物語。
つまらないけんかばかりしている人間たちよ。
           この犬たちを見よ。

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