ナ・バ・テア2008-09-14

森博嗣  

「スカイ・クロラ」
http://kumaneko.asablo.jp/blog/2008/08/12/3687581 
の続編。時間的にはこちらが先となる。
「スカイ・クロラ」に「けにる。 」さんがつけてくれていたコメントの意味が、
この作品を読み終えてもしっかりとわからなかった。

この作品は、書き出しは「僕」という語り口であり、
最初「スカイ・クロラ」に続く時間で書かれているものとして読み始めた。
が、すぐに「カンナミ」との違いが感じられた。
「カンナミ」により射殺された「クサナギ」が語り手である。

若きエース候補としての「クサナギ」と、
戦闘機乗りにとって憧憬の存在「ティーチャ」、
「スカイ・クロラ」で「クサナギ」が「私が殺した」という「クリタ」などが登場する。
「スカイ・クロラ」では何の説明もなかったキルドレについて、
この巻では少し触れている。

大人になることのない「クサナギ」が、
意識すらしないうちに「ティーチャ」に惹かれて行き、
ついには褥を共にするところの描写がいたい。

愛しているはずの「ティーチャ無との空中戦を心待ちにする「クサナギ」は、
キルドレの特徴をよく表している。

僚機が落ち、死んでいったとき、
「クサナギ」が激しく吐き出す言葉が白眉か。

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