ボスちゃん2008-08-12

「ごお」より一歳年上の「ボス」ちゃん。
10月が来たら満14歳になる。
あっちもこっちも悪くなってきているようで、
以前のようなお転婆ぶりは、もはやない。
時々は一度に起き上がることができずに困った顔をしている。
もう「ボス」をつれて遊びに行くことはできないのだろう。

「そらん」は「ボス」ちゃんが大好き。
「ボス」ちゃんに会うと、母のごとく、恋人のごとく、
付きまとっては甘えている。

そんな「そらん」が「ボス」ちゃんに甘えなくなった。
甘えたくないというのではなさそうだ。
近くに寄っては鼻を鳴らしたりしている。
ただ横たわるだけの「ボス」ちゃんにあえて甘えずに我慢している。
そんな風に見えるのだ。

元気すぎて力をもてあましていた「そらん」は、
いつだって他の犬を圧倒してきた。
少し生意気な犬と見たら断固優位を示そうとするし、
好きな犬は独り占めしようとする。
相手が疲れても意に介さず、自分本位に遊びを強要する。

「ごお」も「ジョン」も「ボス」も、
そんな「そらん」にはなはだ迷惑そうにしていたものだ。
そんな唯我独尊「そらん」が優しくなるときがある。
「ごお」もジョンも調子が悪くなっている間は、
寄り添いはしても強引な遊びに誘うことはしない。
ただ哀しそうに見える表情で寄り添っている。

11日に「ボス」がやってきたとき、
一目散に「ボス」の元に走りよった「そらん」は、
リビングに入り横たわってしまった「ボス」を見て、
大はしゃぎだったのに、「ボス」の様子を見て無理と考えてか、
耳のあたりを数度舐めたあと、近くで並ぶようにして寝ていた。

乱暴者の「そらん」の優しさがわかる一瞬だ。

「ボス」ちゃんは、あちこちの脂肪腫が肥大化してきた。
肘にも背中にも股にも、大きく育った脂肪腫がある。
喉の辺りにもしこりがある。
14歳が間近になっているので手術はしない方針らしい。
水を見れば泳いだのに、プールに連れて行っても泳ごうとしない。
散歩に連れ出そうとしてリードを見せても嬉しそうなそぶりもない。
どうにか連れ出しても、すぐに排泄を済ませると帰ろうとする。
歩行中に後肢がもつれることもある。

「はいら」と並べての写真を載せてみた。
大きな、大きな「ボス」ちゃんなのに、
いつでもしっぽブンブンだった「ボス」ちゃんなのに、
ビロードのような毛並みもバサバサしてきた。
「ボス」ちゃんがこの世に留まるのは、あと幾年なのだろう。

できるだけ長生きして欲しいが、
いとおしい犬の退場が、また近いと感じた一日になった。

コメント

_ クオンママ ― 2008-08-13 01:09

こんばんは。

労わりの心
感心します。
見習わないといけませんね、人間も…

切ないですね。
“ボスちゃん”
穏やかな日々を過ごして欲しいです。

_ くまねこ ― 2008-08-15 00:53

「そらん」は人より優しいのかもしれません。
「そらん」のような犬は初めてです。
多頭飼いしていれば、誰でも経験していることなのでしょうか?
「そらん」の心には、追慕の感情さえあるように思っています。
そういう心は、失わずに持っていたいと僕も思います。

ボスちゃん、穏やかでいられればよいと思っています。
場合によったら、うちで最後を迎えさせてあげることになるかもしれません。
もし、そうなるのだったら「ごお」やジョンの分まで世話してあげるつもりです。

_ クオンママ ― 2008-08-15 16:58

事情の分からない私の様な者が
コメントなど心苦しいのですが、

>場合によったら、うちで最後を迎えさせてあげることになるかもしれません。
もし、そうなるのだったら「ごお」やジョンの分まで世話してあげるつもりです。

そうなると
くまねこさんの負担が増え大変ですね。
でも、
くまねこさんの元でなら
優しい愉快な仲間達と共に
穏やかで楽しい思い出が作れそうですね。

_ くまねこ ― 2008-08-16 01:39

「ボス」ちゃんはね、半分は僕の犬でもあるのです。
もちろんほとんどの日々を姉のところですごしてきたし、
とっても大事にされているんだけれど、
姉のところは子供たちが独立期にあたっていて、
「ボス」ちゃんの世話をする時間が減ってしまっている。
それに、姉の家は山を切り開いた住宅地で、
門扉からから玄関が階段を登らなければならない。
足腰の弱ってしまった「ボス」にとっては、
この階段が曲者なんだ。
いよいよ足腰が弱ってしまい階段が危険なものとなるようだったら、
僕の家は平地にあるから、
最後の日々は僕のところですごさせてあげるのも悪くないかなと考えている。

一年のうち一月程度は僕と一緒に遊びに行ったり、
家で面倒見たりしてきていた。
だから万一のときは面倒見ることになるのもありだと思っている。
「ボス」は37キロくらいあるから、
僕なら抱えあげられるけれど、
姉には抱えるのは無理。
「ごお」やジョンのために買った介護グッズを渡しているけれど、
使いこなすにしても地力が必要だしね。
車にもリフターついているしね。

ひとつだけ心配していたのは、
「そらん」や「はいら」が「ボス」ちゃんに構われたがる点。
でも、ここのところの様子を見ていたら、
「そらん」も「はいら」も「ボス」ちゃんがしんどそうなときは、
まとわり付く事を避けている。
だったら、うちで最後の日々という選択肢があってもよいのだろうと話し合っているのです。

実際には、ボスを愛する家族たちだから、
そういうことにはならないと踏んでいるけれど、
万一のときのことだけは想定しておかなくっちゃね。

_ クオンママ ― 2008-08-17 11:55

お姉さんのご家族でしたか。
頼れる弟さんで
お姉さんも安心ですね。

前回の負担と言う言葉は失言です。
愛おしいものへの苦労は
負担にはなりませんね。
くまねこさんごめんなさい。

_ くまねこ ― 2008-08-18 01:33

いや、別に失言ではないと思います。
愛おしくたって、負担感はあって当然。
負担感があるって思っていないと、
がんばりすぎて疲れてしまうと思うのです。

「ごお」のときもジヨンのときも、負担はありました。
体力・経済力・時間に大きな負担がありました。
でも、覚悟していたし、できることは限られているから、
負担を予測しておくことで、よい関係で居られました。

いつかはみんな通り過ぎていく道。
僕の書く気持ちもきっとわかってもらえると思います。

「ボス」ちゃんね、しっぽ振り大会で入賞したんよ。
「ごお」と一緒でさえ駄目だったのに。
僕にとってはかけがえのない相棒だったんです。

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